遺言書作成にはいくらかかる?自筆証書遺言・公正証書遺言の費用と選び方
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遺言書の作成を検討するとき、気になることの一つが費用です。
「自分で書けば費用はかからないのか」
「公正証書遺言はいくら必要なのか」
「専門家へ相談すると、どのような費用が加わるのか」
といった疑問をお持ちの方も少なくありません。
遺言書の作成費用は、自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選ぶかによって大きく異なります。
また、遺言書そのものの作成費用だけでなく、戸籍などの必要書類、公証人手数料、証人の手配、専門家への相談などにかかる費用も考える必要があります。
大切なのは、金額の安さだけで判断するのではなく、遺言内容の複雑さ、保管方法や相続開始後の手続きまで含めて比較することです。
この記事では、遺言書を作成するときに考えておきたい費用の内訳と、自筆証書遺言・公正証書遺言を選ぶ際のポイントを解説します。
札幌市西区琴似で遺言書の作成をお考えの方は、準備を始める際の参考にしてください。
遺言書の作成費用は何によって変わるのか
遺言書の作成にかかる費用は、主に次の内容によって変わります。
- 自筆証書遺言か公正証書遺言か
- 法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用するか
- 財産を受け取る方の人数
- 遺言の対象となる財産の価額
- 戸籍や登記事項証明書などの必要書類
- 公正証書遺言の証人を自分で用意できるか
- 公証人の出張が必要か
- 専門家へどこまで依頼するか
- 相続人や財産の調査が必要か
- 遺言内容が複雑か
そのため、「遺言書は一律でいくら」と考えることはできません。
まずは必要になり得る費用を項目ごとに分け、どのような支援が必要かを整理することが大切です。
自筆証書遺言の作成にかかる費用
自筆証書遺言は、遺言者本人が原則として遺言書の全文、日付、氏名を自書し、押印して作成する遺言書です。
財産目録については、パソコンで作成した書面や通帳の写し、不動産の登記事項証明書などを使用できますが、各ページに署名と押印が必要です。
自分で作成して自宅で保管する場合
自筆証書遺言を自分で作成し、自宅などで保管する場合、公的な作成手数料はかかりません。
必要になるのは、用紙、封筒や印鑑などの実費が中心です。
ただし、費用を抑えられる一方で、次のような点に注意が必要です。
- 方式の不備によって無効になる可能性がある
- 財産の記載や表現が不明確になる可能性がある
- 紛失、改ざんや隠匿のおそれがある
- 相続人に発見されないことがある
- 相続開始後、原則として家庭裁判所の検認が必要になる
作成時の費用が少なくても、相続開始後にご家族の確認や手続きの負担が増える可能性があります。
法務局の保管制度を利用する場合
自筆証書遺言は、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管することもできます。
保管申請手数料は、遺言書1通につき3,900円です。保管年数による追加料金はありません。
法務局で保管された遺言書は、紛失や改ざんなどを防ぎやすく、相続開始後の家庭裁判所による検認も不要です。
申請時には、遺言書が民法で定められた形式に適合しているか、外形的な確認も行われます。
ただし、法務局は遺言内容について相談に応じたり、その法的な有効性を保証したりするものではありません。
保管制度の最新の手数料は、法務省の「自筆証書遺言書保管制度・手数料」で確認できます。
必要書類の取得費用
遺言内容を正確に検討するため、次のような書類を取得する場合があります。
- 戸籍謄本
- 住民票
- 印鑑登録証明書
- 不動産の登記事項証明書
- 固定資産評価証明書
- 名寄帳
- 法定相続情報一覧図の写し
- 法人の登記事項証明書
取得する書類の種類や通数によって実費が変わります。
自筆証書遺言では、これらの書類を必ずすべて添付するわけではありません。しかし、相続人や財産を間違いなく特定するためには、必要に応じて公的書類を確認することが大切です。
公正証書遺言の作成にかかる費用
公正証書遺言は、公証人が遺言者本人の意思を確認し、法律で定められた方式に従って作成する遺言書です。
主な費用には、次のものがあります。
- 公証人手数料
- 正本・謄本などの交付手数料
- 戸籍謄本や財産資料の取得費
- 証人を依頼する場合の費用
- 公証人が出張する場合の加算、日当や交通費
- 専門家へ原案作成などを依頼する場合の報酬
公証人手数料の基本的な考え方
公正証書遺言の作成手数料は、遺言によって相続または遺贈させる財産の価額を基準に計算します。
2025年10月1日から適用されている主な手数料は、次のとおりです。
| 財産を受け取る方ごとの目的価額 | 基本手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円超100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円超3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円超5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 49,000円 |
1億円を超える場合も、所定の計算方法により手数料が加算されます。
ここで注意したいのは、遺産の総額だけで一度計算するとは限らないことです。
財産を受け取る相続人や受遺者が複数いる場合は、原則として受け取る方ごとに財産の価額を計算し、それぞれの手数料を合計します。
公証人手数料の計算例
1億円の財産を配偶者1人に相続させる場合
目的価額1億円に対する基本手数料は49,000円です。
目的価額の総額が1億円以下の場合は、遺言加算として13,000円が加わるため、基本的な作成手数料は62,000円となります。
配偶者へ6,000万円、長男へ4,000万円を相続させる場合
それぞれについて手数料を計算します。
- 配偶者6,000万円:49,000円
- 長男4,000万円:33,000円
- 遺言加算:13,000円
合計は95,000円となります。
このほか、正本や謄本などの交付手数料、必要書類の取得費などが加わることがあります。
最新の金額や詳しい計算方法は、日本公証人連合会の「手数料」で確認できます。
公正証書遺言で追加費用が発生するケース
証人を依頼する場合
公正証書遺言の作成には、原則として証人2人の立会いが必要です。
未成年者、推定相続人、遺贈を受ける方や、これらの方の配偶者・直系血族などは証人になることができません。
適切な証人を自分で用意できない場合は、公証役場や依頼する専門家へ相談できます。この場合は、証人の日当などが必要になることがあります。
公証人に出張を依頼する場合
病気や身体上の事情などにより公証役場へ出向けない場合は、公証人に病院や自宅などへ出張してもらえることがあります。
病床で作成する場合は、通常の目的価額による手数料が1.5倍となることがあり、これに遺言加算、日当や交通費などが加わります。
出張が必要な場合は、早めに公証役場へ相談しましょう。
遺言内容が長くなる場合
遺言内容が多く、一定の枚数を超える場合は、超過する枚数に応じた手数料が加わることがあります。
祭祀主宰者の指定など、財産の承継とは別に手数料が必要となる事項もあります。
最終的な費用は、遺言案や資料を公証役場へ提出したうえで確認することが大切です。
専門家へ相談する場合の費用
行政書士などの専門家へ遺言書作成の支援を依頼する場合は、別途報酬が必要です。
報酬額やサービスの範囲は事務所によって異なります。
主な支援内容としては、次のようなものがあります。
- 遺言書作成に関する相談
- 相続人の確認
- 戸籍謄本などの収集
- 相続関係説明図の作成
- 相続財産の整理
- 自筆証書遺言の原案作成
- 公正証書遺言の原案作成
- 公証役場との事前調整
- 証人の手配
- 遺言執行者の指定に関する相談
見積りを確認するときは、金額だけでなく、どの業務まで含まれているかを確認しましょう。
たとえば、公証人手数料、証明書の取得費、証人費用や出張費などの実費が、専門家報酬とは別になっていることがあります。
「安く作れる方法」が適しているとは限らない
自筆証書遺言を自分で作成すれば、作成時の費用は抑えられます。
しかし、方式や内容に不備があれば、遺言が無効になったり、財産の特定ができずに希望どおりの手続きができなかったりする可能性があります。
反対に、公正証書遺言や専門家への依頼には費用がかかりますが、次のような負担やリスクを抑えやすくなります。
- 方式上の不備
- 曖昧な表現
- 財産の記載漏れ
- 遺留分への配慮不足
- 遺言書の紛失や改ざん
- 相続開始後の家庭裁判所での検認
- ご家族による手続きの混乱
遺言書作成の費用は、単に書面を作るための金額ではありません。
ご自身の希望を適切な形で残し、ご家族の将来の負担を減らすための準備費用として考えることが大切です。
自筆証書遺言と公正証書遺言の選び方
自筆証書遺言を検討しやすいケース
- 財産や家族関係が比較的シンプル
- 自分で全文を書くことができる
- 作成費用を抑えたい
- 遺言内容を人に知られずに作成したい
- 法務局の保管制度を利用する予定がある
- 将来、内容を見直す可能性が高い
ただし、ご自身で作成する場合でも、方式や内容について専門家の確認を受ける方法があります。
公正証書遺言を検討したいケース
- 方式上の不備をできるだけ防ぎたい
- 家族関係や財産の内容が複雑
- 不動産や事業用財産がある
- 相続人以外の方へ財産を遺贈したい
- 遺留分に配慮した内容を検討したい
- 全文を自書することが難しい
- 遺言書の紛失や改ざんを防ぎたい
- 相続開始後の手続きを円滑に進めたい
どちらの方法にも特徴があります。作成時の費用だけでなく、確実性や保管方法、相続開始後の手続きまで比較しましょう。
見積りを取る前に整理したいこと
専門家や公証役場へ相談する前に、次の内容を分かる範囲で整理しておくと、必要な手続きや費用を確認しやすくなります。
- 家族構成
- 相続人になる可能性がある方
- 財産を渡したい方
- 預貯金を利用している金融機関
- 所有している不動産
- 株式や投資信託
- 借入金や未払金
- 過去の主な生前贈与
- 希望する財産の分け方
- 遺言執行者を指定するか
- 自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを希望するか
財産の正確な金額が分からなくても、種類とおおよその価額を整理するところから始められます。
作成後の見直し費用も考えておく
遺言書は、一度作成したら終わりとは限りません。
次のような変化があった場合は、内容を確認し、必要に応じて作り直すことを検討します。
- 結婚や離婚をした
- 子や孫が生まれた
- 相続人が亡くなった
- 不動産を売却または購入した
- 預貯金や有価証券の内容が大きく変わった
- 財産を渡す予定だった方との関係が変わった
- 遺言執行者が就任できなくなった
- 法律や制度が変わった
公正証書遺言を作り直す場合は、原則として新たな公証人手数料などが必要です。
将来の見直しも考え、定期的に内容を点検しましょう。
札幌市西区琴似で遺言書作成のご相談なら行政書士宇野敏志事務所へ
遺言書の作成費用は、自筆証書遺言か公正証書遺言かという違いだけでなく、財産の価額、財産を受け取る方の人数、必要書類や証人の手配などによって変わります。
金額だけでなく、遺言書の確実性、保管方法や相続開始後のご家族の負担まで含めて検討することが大切です。
札幌市西区琴似の行政書士宇野敏志事務所では、相続を中心に、遺言・終活・成年後見に関するご相談を承っております。
相続人調査、相続財産の整理、自筆証書遺言や公正証書遺言の原案作成、公証役場との事前調整など、遺言書作成に向けた準備をサポートいたします。
ご相談内容を確認し、必要となる手続きや費用を分かりやすくご案内します。
「どの方法が自分に合っているか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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