相続人調査
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相続人は遺言書で別途指定された時を除き、民法で定められた法定相続人に限られます。
具体的には、配偶者・子・親・兄弟が挙げられます。このうち、配偶者が第一順位、子、親の順序で第二順位、兄弟が第三順位となって優先順位が定められて相続人が決定します。
しかしながら、そもそも誰が相続できるのか、つまり相続人であるかを把握していなければ、適切な相続を行うことは難しくなります。
そこで本稿では相続人調査について説明いたします。
■相続人の決定
法定相続人は戸籍によって決定します。例えば、配偶者や子供、兄弟など血縁及び姻族関係のある人が法定相続人となります。誰が法定相続人となるかを調査するには、被相続人つまり亡くなった人の出生から死亡までの一連の流れが記載されている戸籍を取得することが必要です。
戸籍を取得する際には、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の2種類が存在しますが、戸籍謄本を取得するようにしましょう。戸籍抄本では戸籍の一部の人に関する情報しか記載されておらず、相続人調査の目的である親族・姻族関係の把握には不向きであるためです。
戸籍を確認して、婚姻や離婚など現在の戸籍より一つ前の戸籍が必要になったら、その戸籍も取得しましょう。この繰り返しによって、被相続人に関する全ての血縁・姻族関係が判明すれば、相続人調査は終了です。なお、戸籍の取得には現戸籍謄本が450円、除籍・改製原戸籍謄本が750円の手数料がかかります。
こうして判明した相続人が相続欠格という相続人としての資格を失う事由に該当しないかを確認し、該当する場合は除外することで最終的な相続人が確定します。具体的な相続欠格は下記のとおりです。
(1)故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
(2)被相続人が殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
(3)詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
(4)詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
(5)相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
このように相続において他の相続人に不利益を生じさせたり、自己の相続順位をあげるために不正の手段をとった人は相続欠格として相続人から除外されます。
相続人調査においては、誰が相続人に当たるか正しく確定しないと、遺産分割を行う際にトラブルにつながるばかりでなく、遺産分割協議自体が無効になってしまうことすらあります。
相続人調査は、手続きに精通した行政書士にお任せください。
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